さてさて、ドイツ旅行も終わり、
14日には、パリに戻ることになりました。
とはいえ、ミュンヘンからパリへは、電車を乗り継ぐのです。
しかも、トータルで6時間かかります。
長い鉄道の旅ですが、オンラインチケットも、用意し、スムーズに行く…はずでした。
まず、乗り換え駅の確認をしっかりした後、
最初の電車に乗り込みました。
ここは、余裕。
そして、難関の乗り換え。
乗り換え時間は、たったの7分。
10番ホームに着く電車から、9番ホームに来る電車に乗るのです。
どんなホームなのか、見当もつかないので、不安だらけ。
もし、レールをまたいで、向かい側だったら、大変。
10分前には、荷物を用意して、出口に向かいました。
出口の窓にはり付いて、ホーム番号を確認すると、
「よっしゃ~」
隣のホームだったので、階段の上がり下りは、ありません。
しかも、電車がかなり遅れていたので、乗り継ぎの電車が出てしまっているのではないかと、
ドキドキでしたが、止まってくれています。
電車の名前は、TGV。OK,OK,それそれ。
着くやいなや、何号車か確認する時間もないので、とにかく飛び乗りました。
すると、何号車か、表示がなく、
あれあれ、とグルグル頭を回して見ていると、
女の人が、指差して教えてくれました。
高いところに、電子表示。
16号車。ビンゴ! ちょうど、私が乗るべきところでした。
あとは、自分のシートを探すだけ。
小さいスーツケースと、大きなボストンバッグと、パソコンが入ったリュックの大荷物だったので、
移動が、モタモタ。
それに、なんとも重い。
シート番号表示が、紙に印刷したもので、字が小さくて見にくいので、
重い荷物をかかえつつは、なんともつらいのに、私のシートが見当たらない。
すーっと、通り越してしまい、後に戻って、また確認しようかと思って、
近くの人に、
「ここは、16号車ですよね」と日本語で言いながら、手に『16-52』と書いた字を見せると、
あっちだよ、と前の15号車を指さすので、
そうだったのか、と行ってみると、そっちでは、むこうだよ、と指されて。
「やっぱり、そうか」と、
「はぁ~」と、大荷物かかえながら、戻ってため息ついてると、近くの女の人たちに笑われてしまった。
いやいや、と照れ笑いしながら、もう一度、チャレンジ。
すると、眼鏡をかけた優しそうな女の人が、「ここ見るのよ」って、
シート番号が電子表示されているシートとシートの間を指さしてくれた。
「ああ、ここにあったのか、サンキュー」と言って、探していくと、
あった! けど、女の人が座ってるよ。
「エクスキューズミー、そこ、私の席なんですけど」と、日本語でチケット見せながら言うと、
「○×*△*×…」とペラペラペラ~
「何、言ってるかぜんぜんわからへん。だから、そこ、私の席なんやけど!」
と、バリバリの日本語で文句言ってると、
さっきの優しい女の人が、「ここ空くから座り」って指さして教えてくれた。
で、やっと座れた。
けど、私が日本で必死でリザーブした席なのに、
その席に、シラーっと座ってる女の人がいて、むかついてしかたがなかった。
しかも、今、私が座っている席は、誰かの席で、もし、その誰かが来たら、私、どうすんのよ。
そう思うと、ずっと、気が気ではなかったのです。
少し落ち着こうと、他の席を見渡していると、
窓の上の手作りシート番号には、行き先まで書いてある。
私の席であった場所のところには、ちゃんと、「Paris Est」と書いてありました。
やはり、私の席だ。
きっと、私が予測するに、
私の席に座っている人は、自分の席に誰かが座っているから、
空いていた私の席に座っているのではないかと。
確かに、チケットは、持っていたのです。
でも、リザーブ席だとわかっていながら、というのは、
ちょっと理解できない。
自分さえよければっていうのは、どこの国に行ってもいるっていうのが、
情けない。
と、むかつきがおさまらずにいたのですが、長旅なので、
ユースホステルの朝食で作っておいたサンドイッチを、
頬張ると、少しずつむかつきもなくなってきました。
そのうち、その人は降りていき、
やっと、自分の席に座ることができました。
これで、やっと落ち着いて、鉄道の旅が楽しめます。
窓を外を見ると、どこまでも続く、畑だったり、
何もない場所だったり、
とてもきれいな景色だった。
空が、雲が、まるで絵に描いたようでした。
画家が描きたくなる空が、そこにありました。
写真に撮ったけど、やはり、裸眼で見た景色には、勝らない。
心が、ふんわりふわふわ。
いい気分でした。
そして、なんと、30分遅れで、無事にパリに着きました。
これから、10日間、夫の友だちのだんなさんのご実家に、2年前と同様、お世話になります。
以前と変わらない笑顔に再会できて、
長旅の疲れも、あのリザーブシート事件も、吹き飛びました。
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