二人旅 その3

7月26日(金)

朝から、今日もちゃんと、朝ご飯のセッティンクのムスメ。昨日の教訓から、率先して、お弁当づくり。サンドイッチです。うんうん、いい感じです。
そして、待ちに待った『ルーブル美術館』へ。

せっかく、ミュージアムパスを買ったのだから、より多くの美術館を回ろう!というのは、大人の考えだと、ふと思った。ムスメは、とにかく一日かけてもいいから、ゆっくり観て回りたい、という思いでいた。「ルーブルだけで、いいか。他は行かずに、じっくりゆっくり観よう」と言うと、「それがいい!」と、いい笑顔。ウキウキしていた。
今回は、バス移動。ムスメも慣れたもので、ちゃんと運転手に挨拶して、乗り込んだ。よしよし。

バスは、ルーブル前のバス停で降りる。ムスメは、「前にバス停あるなんて、めちゃいいやん」と、もう、そこから感動していた。降りると、またもや、ポリスがいた。しかも、ローラースケートを履いて、巡回中。「え~、そんなんあり? ないないない!!!」と、ポリスのかっこよさに、朝から解けていた。

正面入り口は、長蛇の列なので、横のリボリ通りの入り口から入ると、空いているので、すぐに入れた。入ると、地図をもらったが、いつもながら、わかりにくい。とにかく、歩いてみると、テンション高く、しゃべるしゃべる。「わぁ、この人、優しそう」と、キリストの絵に描かれた司祭へのコメント。わら人形のように何かの恨みで、針のような物がたくさん刺してある像を見て、「これは、楊枝さしかな」と。ムスメの予想外の言葉に、驚きつつ、なんだかおもしろく感じ、ダンボの耳で歩くことにした。

photo:01

すると、飛び出す、仰天発言!
棺を見て、「宝箱いっぱいやな。カネモか」。エジプトの像を見て、「エグザイルの中途半端な腹筋の人みたいや」。「半分、人間と違うケンタウロスとか、半なになにっていうのが、好きやわ。この半分、カラダが違う人、これ、人食べるんやで~」「発掘した才能な。すごいな」。
学校やテレビで得た知識を総動員して、解説してくれる。これが、また、作品の裏話が多く、動くヘッドホンガイドだった。

photo:02

「この親子、殺されかけてるやろ。こっちが、借金取りやで」「この天使が、プシュケ! あ~、会いたかってん」「この母親、持ってる剣で、もうすぐ、この自分の子ども殺すんやで」「ナポレオンは、ほんまは、ロバに乗っていたっていう絵や」「この人たちはグルで、大金持ちのこの人を、いかさまでだまそうとしているところ。目線を追っていったら、わかるんや」「青い服着てるのが、マリア。やっぱり好きやわ」「この人に会いたかってん。イケメンやろ。でも、恐れられてたんや」「ニケの頭ってな、ほんとは小さくて…」「キリストのこの胸の傷は…」と、続く続く。

四姉妹の中で、一番のおしゃべりは、止まらなかった。
「やっぱり、最近のんとか新しい時代の作品より、古い作品が好きやわ」と、歴史好きは、一日中目を輝かせていた。途中、お昼休憩で、お弁当を食べた以外、ほとんど休憩なしで回った。

私は、3回目のルーブルだったが、今までこんなにじっくり回ってはいなかった。しかも、好きな作品は決まっていて、だいたい同じようなところに足が向いてしまっていたが、今回は、動くガイドさんのおかげで、また違う視点で見ることができて、実に楽しかった。

「もう、いいかな。そろそろ出ようか」とムスメが言ったのは、もう、18時を過ぎていたかな。

その後、美術館の続きにある、お店めぐりをしていると、ムスメが「ここ、見よう!」と入った雑貨屋さん。「これ、かわいい!」の連続。美術館での足の疲れも忘れ、そこで、閉店まで買い物を楽しんでいた。レジをしてくれた店員さんに、日本語が通じ、「こちらは、小分けの袋が要りますか」とまで言ってくれたので、うれしくてうれしくて、ますます気に入ってしまっていた。

帰りの足取りも軽く、朝のテンションは、持続し続けていたムスメ。
帰っても、そのワクワク感で、幸せいっぱいの表情だった。

こんなにルーブルで喜ぶ高校生。おもしろすぎるわ、とつくづく思う、母ちゃんだった。

コメント

タイトルとURLをコピーしました