今月のおたよりから

 立春も過ぎ、暖かくなったり、急に寒くなったりと、カラダが気温の変化にとまどう季節になりました。工房では、マスクをしている子も増えていますが、やはり、創作活動は、止まることはありません。「学校を休んでも、工房は休みたくない!」と、なんともうれしい言葉も。

 幼稚園のアートきょうしつでは、みんな粘土が大好き。「粘土がしたい!」と、毎回、すごい勢いでリクエストしてくれるのですが、「工作はね、粘土だけじゃないよ。他にも、紙や箱、木や、針金とかも使って作れるしね。いろんなもの、使おうね」と言うと、「そうやな。工作は、粘土だけとちがうな」と、すぐに納得して、『今日のテーマ』を、ちゃんと聞いてくれます。今は、魚釣りゲームを作っています。磁石に興味津々。くっつくものをさがして、ウロウロ。素材一つひとつの出会いが新鮮です。さて、次は、何に出会いましょうか。準備するこちらも、ワクワクします。

 工房では、かなり冷える町家なので、暖房器具から離れられないながらも、作りたい気持ちが勝ってくれているので、さすがは工房っ子です。こちらは、テーマは、自分で決めるので、作りたいものに必要な素材を、出してきて、ひたすら、作る作業は続いています。
 手作り望遠鏡を作っていた小学3年生のなお君は、工作の本を参考にしつつ、自分のアイデアも入れ、できない部分は、高校生のお兄ちゃんにアドバイスをもらって、何度も調整していました。思い通りにならなかったところが、最終的に、形になったとき、「一パーセントのひらめきと九十九パーセントの努力や!」と、エジソンの名言を叫んで、はじける笑顔とガッツポーズ。出来上がった望遠鏡もすごいけれど、そのできるまでの過程が、どれほど彼にとって、大事なことだったか。それをそばで、ずっと見ることができ、私にとっては、宝物のような時間でした。

 彼に限らず、このできあがるまでのドラマのような過程が、あちこちで見られるのが、日常の工房です。今年も、このような時間を、子どもたちとたくさん共有できることが、楽しみでなりません。
(コドボン84号)

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