育つ脳

私は、大学進学を決めるのが遅かった。

何しろ、自分が、大人になって自立するなんて、想像もできなかった。

それほど、箱入りだったのだ。

かと言って、裕福な家庭でもなんでもない。

むしろ、大変なお家事情があった。

でも、筋金入りの箱入りという、ヘンテコな家庭で育った。

自分の意見など持たぬのが、生きるすべだった。

なので、どんな勉強をしていきたいとか、

どんな仕事につきたいとか、考える脳を持ち合わせていなかった。

そう、今でもそうだが、子ども脳のまま、育っていなかった。

だから、一番身近にいた、オットは、とっても苦労していた。

何を言っても、響かない。

何を言っても、考えない。

オットは、それでも、言い続け、考えさせ続け、

時には、厳しく、娘たちとともに、私の子ども脳を育ててくれた。

いわゆる、根っからの教育者だと思う。

 

悩める10代の話に、

私たち夫婦で耳を傾けた夜。

私は、ひたすら、すごいなぁ。偉いなぁ。と思うのである。

若いのに、自分のことを分析しつつ、悩みもがいている。

少しでも、前に進むために。

オットは、きちんと、話す内容を、考える脳で分析して、

何がこれからこの子に必要なのかの答えを、

その子の言葉を引き出し引き出し、導き出す。

 

語彙力のなさもしかり、

やはり、少しだけ育った子ども脳では、悩める子に、

全くうまく言ってあげられないなぁ、

と私がつぶやくと、

オットは、二人でそれぞれないものを補い合ってるから、それでいい。

と、言ってくれた。

やはり、教育者だ。

 

二人で、一人。

いい歳でも、まだまだ、だよ。

10代。

コメント

  1. より:

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    うまく言えないんですけどね。
    なんて言うか、貴女の場合、言葉よりも存在そのものだと思うんですよね。
    出会った頃、それはもうやさぐれていた(笑)自分にとって、貴女の存在は驚き以外の何物でもなかったですから。
    世の中に、こんなにも純粋な同級生が存在するのかと。
    まわりのみんなも、そんな貴女の存在にどれだけ救われたことか。
    少なくとも自分にとって、その時々にかけてもらった言葉はちゃんと心に響いていたし、今も残っています。

    だから貴女の家族になった方々は、ご主人もお嬢さん方も、それが必然だったんじゃないでしょうか。
    そんな風に思います。

    こんな話なら、一晩中呑みながら語れそうな50代(笑)

  2. 秩加 より:

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    >Kさん
    あぁ、伝わる響く効くぅ~
    いつも、嬉しいコメント、ありがとう!
    ちょっと、自分の立ち位置に悩むと、書いちゃいます。
    私も、あの時代、Kさんの存在に、どれほど救われたかです。

    吞んで語りたいねぇ、50代♬

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