日曜日の昼下がりのこと。
台所で、ゴソゴソ、音がする。
それも、長い時間。
私は、自分の部屋で、ガサガサ、音を立てる。
それも、長い時間。
階段を上がって来る音。
お皿を持った夫が、やってきた。
疲れて、ゴロンと寝っ転がった私の口に、放り込む。
「うまっ!」
オットが、台所で、作っていたのは、出汁。
その出汁をとった昆布と鰹を捨てるのはもったいないと、
それぞれを使って、佃煮を作っていたらしい。
とった出汁は、製氷皿に入れて、固めて保存。
台所の音は、これらを作っている音だった。
一方、私は、ずっと木を削り続ける。
とにかく、硬い木と、格闘。
まだ、形にならないが、カラトリー作り進行中。
私がたてる音は、これを作っている音だった。
しばらくして、静かな音楽が流れる中、
二週間に一度の図書館通いで借りた本を、
それぞれの部屋で、読む。
そうかと思えば、リビングで、オットは、テレビで映画を見続け、
私は、タブレットで、見逃したドラマを見続ける。
夫婦で、それぞれ好きなこと、好きな時間。
穏やかな時間。
こんな時間が来るとは、今年当初には、思いもしなかったな。
『毎日かあさん』を描いた西原理恵子氏の「卒母宣言」が話題になっている。
共感できることが多そうだ。
オットに、それに見習って、「卒父宣言」で、書いてみたら、と提案している。
我が家は、何かにつけ、父母逆転現象があるので。
いや、男女逆転か。ん?
コメント