スイス〜ドイツ〜フランスの旅 その6

さっそく、昨日の続き。

帰りのスーツケースは、

皆一同に重かったため、階段は使えない。

改札を入ると、地階にあるホームへは、当然エレベーターになる。

そのエレベーターが、なかなかの速度。遅い。

まだかなぁ、まだかなぁ、なんて、待っていると、

やっと来た。

と、思ったら、

うしろにいた若い女性が、ワタシの前に強引に割り込み、乗り込んだ。

え〜、どこの国の人だよ〜! スーツケース入るかな。

と思いつつ、よっこらよっこらと、押して入れると、

狭いエレベーターの中で、その割り込んできた人が、ワタシにぐいぐい体を押し当ててくる。

そんなに混んでる? 気持ち悪いなぁ。と、ふと思っただけで、エレベーターがゆっくり地階に降りて行く間、ワタシの頭の中は、エレベーターを降りてから、何分の電車に乗って〜と、電車の乗り方で、頭がいっぱいだった。

すると、なんか嫌な感じが、ワタシの斜めがけのバッグからする。

何かが動いた。

その瞬間、プラハを思い出した。

地下鉄に乗っている時に、ドアが開かないので、必死でドアを開けようとしていると、手伝おうと一瞬で集まった数人の大きな男たちに囲まれた。その間に、見事に、財布をスラれた、あの悪夢。

 

やばい!

とっさに、バッグを見る。

バッグのファスナーが見えないように、体を押し付けて来た女性の腕にかけた上着がかかっていた。

なんじゃこりゃ!

こいつ、スリだ!

上着を払いのけた時に、

白い手がさっと引くのが見えた。

パックリ開いたバッグ。

しかし、分厚いトトロのタオルを、汗拭き用にぎゅうぎゅうに詰め込んでいたのが、よかった。

その下の財布が、ちょっと見えかけていたが、

取りにくかったのだろう。

取る時に、バッグが動き、

ワタシが気付いたということである。

気が動転して、発した言葉は、

「え〜〜〜〜、バッグ開いてる〜」

という、気の抜けたもの。

オットは、とっさに、またか!

と思ったようだ。

スリをにらみつけたが、ふてぶてしく、知らん顔をされる。

ワタシのにらんだ顔は、全世界共通、

こわくない…

ワタシのうしろには、グルの男がいたようで、

ワタシのスーツケースに、自分のカバンを置いていたようだ。これは、あとになって、言われて知った事だが。きっと、そのカバンに、女が取ったワタシの財布を入れる手口だったのだろう。

 

エレベーターを降りると、そのスリたち、

何事もなかったように、

また、エレベーターに乗って行った。

 

なぜ、4人いたのに、

ワタシが狙われたのか。

弱っちそうで、

隙がありすぎだから。

これは、わが家族、全員一致の理由。

やっぱり、団体で動くと、

これが、際立つのだろう。

 

ひとり旅の時は、そんなこと、

全くなかったのに。

 

今回のスリ事件は、未遂に終わった。

よかった。

あと数時間で、飛行機に乗らないといけないという時に、

未遂ではなかったら、と思うと、ぞっとする。

 

完全無防備の隙だらけのワタシ相手に、なぜ、未遂で終わったのか。

一つは、タオルのおかげ。

一つは、ジーパンではなく、薄いテロテロのパンツを履いていたのが、よかった。バッグの振動に、気づけた。

それ以外なし。

 

にしても、ファスナー全開は、あかんやつである。

前回の教訓をもとに、

開けにくいファスナーのバッグを買ったのに、これである。

全て、バッグの問題でもないけど、

バッグの問題にもしたいところ。

抜本的な改善が必要である。

次回の旅の準備での、最重要事項であることは、間違いない。

 

ほんと、気付けよ!

と、自分で落ち込む。

 

オットが言う。

いい人すぎるんや。

ものは、言いようである。

 

 

 

 

パリで、奇跡のメダイで有名な教会で、

奇跡が与えられる人になりたいと、

入り口にあった像と、手を繋いできていた。

 

奇跡、

与えるより、作る人なのかもね。

 

だから、スリ未遂に終わって、単純に、

セーフ!だったんだ〜と、しょーもないことを思いつつ、

無事帰国。

 

12日間にわたる、いつものごとく

あんなこと〜

こんなこと〜

あったでしょ〜の濃い〜旅。

これにて、終了!

 

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