さっそく、昨日の続き。
帰りのスーツケースは、
皆一同に重かったため、階段は使えない。
改札を入ると、地階にあるホームへは、当然エレベーターになる。
そのエレベーターが、なかなかの速度。遅い。
まだかなぁ、まだかなぁ、なんて、待っていると、
やっと来た。
と、思ったら、
うしろにいた若い女性が、ワタシの前に強引に割り込み、乗り込んだ。
え〜、どこの国の人だよ〜! スーツケース入るかな。
と思いつつ、よっこらよっこらと、押して入れると、
狭いエレベーターの中で、その割り込んできた人が、ワタシにぐいぐい体を押し当ててくる。
そんなに混んでる? 気持ち悪いなぁ。と、ふと思っただけで、エレベーターがゆっくり地階に降りて行く間、ワタシの頭の中は、エレベーターを降りてから、何分の電車に乗って〜と、電車の乗り方で、頭がいっぱいだった。
すると、なんか嫌な感じが、ワタシの斜めがけのバッグからする。
何かが動いた。
その瞬間、プラハを思い出した。
地下鉄に乗っている時に、ドアが開かないので、必死でドアを開けようとしていると、手伝おうと一瞬で集まった数人の大きな男たちに囲まれた。その間に、見事に、財布をスラれた、あの悪夢。
やばい!
とっさに、バッグを見る。
バッグのファスナーが見えないように、体を押し付けて来た女性の腕にかけた上着がかかっていた。
なんじゃこりゃ!
こいつ、スリだ!
上着を払いのけた時に、
白い手がさっと引くのが見えた。
パックリ開いたバッグ。
しかし、分厚いトトロのタオルを、汗拭き用にぎゅうぎゅうに詰め込んでいたのが、よかった。
その下の財布が、ちょっと見えかけていたが、
取りにくかったのだろう。
取る時に、バッグが動き、
ワタシが気付いたということである。
気が動転して、発した言葉は、
「え〜〜〜〜、バッグ開いてる〜」
という、気の抜けたもの。
オットは、とっさに、またか!
と思ったようだ。
スリをにらみつけたが、ふてぶてしく、知らん顔をされる。
ワタシのにらんだ顔は、全世界共通、
こわくない…
ワタシのうしろには、グルの男がいたようで、
ワタシのスーツケースに、自分のカバンを置いていたようだ。これは、あとになって、言われて知った事だが。きっと、そのカバンに、女が取ったワタシの財布を入れる手口だったのだろう。
エレベーターを降りると、そのスリたち、
何事もなかったように、
また、エレベーターに乗って行った。
なぜ、4人いたのに、
ワタシが狙われたのか。
弱っちそうで、
隙がありすぎだから。
これは、わが家族、全員一致の理由。
やっぱり、団体で動くと、
これが、際立つのだろう。
ひとり旅の時は、そんなこと、
全くなかったのに。
今回のスリ事件は、未遂に終わった。
よかった。
あと数時間で、飛行機に乗らないといけないという時に、
未遂ではなかったら、と思うと、ぞっとする。
完全無防備の隙だらけのワタシ相手に、なぜ、未遂で終わったのか。
一つは、タオルのおかげ。
一つは、ジーパンではなく、薄いテロテロのパンツを履いていたのが、よかった。バッグの振動に、気づけた。
それ以外なし。
にしても、ファスナー全開は、あかんやつである。
前回の教訓をもとに、
開けにくいファスナーのバッグを買ったのに、これである。
全て、バッグの問題でもないけど、
バッグの問題にもしたいところ。
抜本的な改善が必要である。
次回の旅の準備での、最重要事項であることは、間違いない。
ほんと、気付けよ!
と、自分で落ち込む。
オットが言う。
いい人すぎるんや。
ものは、言いようである。
パリで、奇跡のメダイで有名な教会で、
奇跡が与えられる人になりたいと、
入り口にあった像と、手を繋いできていた。
奇跡、
与えるより、作る人なのかもね。
だから、スリ未遂に終わって、単純に、
セーフ!だったんだ〜と、しょーもないことを思いつつ、
無事帰国。
12日間にわたる、いつものごとく
あんなこと〜
こんなこと〜
あったでしょ〜の濃い〜旅。
これにて、終了!
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