青春18切符を手に入れてから、
どこに行こうかと、本やネットで行き先をあれここれオットと悩んで、
決めた先は、富士山だった。
登るのではなく、小学校の頃、さんざん歌った「ふ〜じは、にっぽんいちの〜やま〜♪」の
日本で一番大きい山が、なぜか、ふと見たくなったのだ。
新幹線から、なんとなく見た記憶しかない富士山。
それ以外、ノープラン。
「旅の目的」なるもの、オットとゆっくり電車旅を楽しむことである。
早朝、5時前に家を出て、歩いて30分の最寄の地下鉄の北大路駅まで行き、始発で、京都駅まで。
そこから、切符にハンコを押してもらって、旅が始まった。
京都から4時間半かけて、浜松まで、とりあえず向かってみる。
京都駅で、何か食べ物を買って、電車に乗ろうとしたが、
早朝、開いているわけない。
ミスった。当たり前である。
これは、次回の教訓としよう、とオットと家から持って出た水筒の水で飢えをしのぎつつ、
ワクワクで座席に座る。
四女が住む醒ヶ井駅も止まる。
オットは、嬉しくて、携帯片手にホームの写真を撮ろうとしていたが、
前に人がいたので、撮れなかった。
残念がりながら、LINEで「醒ヶ井を通りすぎた!」とムスメたちに報告していた。
浜松に着くと、
飢えているオットは、浜松で有名な餃子を食べたくなる。
店を探したが、朝から食べる人はいないのだろう。
探した店は、ことごとく11時からだった。
そこで、どうしたか。
チェーン店ドトールで、朝カフェセット。
よく、「どんな美味しいもの、食べてきたんですか?」と質問されるけれど、
ワタシの旅は、もともと、食費はほぼ使わない。
1日、クッキーと水だけで過ごすこともある。ちょっと贅沢して、パンを食べたり。
旅といえば、そこで有名なものを食べるものだけれど、
見るだけで、ワタシは、正直、十分。
どこで、何食べても、何着ても、一緒。
これ、小さい時から変わらずである。
オットは、もともと、食べることは大好きだが、
食費を抑える生活をするようになって、
旅に出ると、途端に食にこだわらなくなった。
食費にお金をかけず、体験にお金をかける。
普段の生活通りである。
なので、ふたりの考えは、一致していて、
この旅、おもしろいぐらい、食費がかかっていない。
浜松から、富士川駅に向かう。
静岡に実家があるという、オットが仕事関係で知り合った青年の木村君が、
実家のお母さんに、ワタシたちが富士山を見に、静岡に行くことを伝えると、
案内してくださることになった。
オットは、国内外問わず、どんな小さなつながりでも、行き先に少しでも知人がいると、生かそうと連絡を取る。
ワタシにはできないことである。
というか、自称引きこもりのワタシには、そんなつながりがない。
木村君のお母さんが、駅に迎えに来てくれる間、近くのコンビニで、
ワタシはあんぱんを、オットはおにぎり一個を買い、秒で食べた。
朗らかな木村君のお母さんは、地元の人しか知らない、富士山がよく見える高台へ、案内してくれた。
しかし、この時期、
富士山は、すっきりとは見えないらしい。
雲に隠れていることも多く、
この日も、あいにく、山頂は全く見えなかった。
しかし、悔しいので、汗をダラダラ流しながら、炎天下の中、カメラにおさめた。
が、山頂が見えない富士山は、全く大きさを感じられず、
残念感しか、残らなかった。
そこから、車で3分ほどで、木村君の実家があり、
お邪魔して、冷たい静岡特産のお茶をいただいた。
そのお宅、4年ほど前に、突然、ダッシュ村のようなことがしたい、と言った木村君のお母さんが、
みつけた場所で、集落の一番山手で、まだ水道も通っておらず、
自分たちで、水道、電気を引っ張ってきて、家を建てたそうだ。
すごいパワフルな方だった。
パワーのおすそわけをいただいて、富士川駅まで送ってもらって、別れた。
さて、そこから、どうしようか、ということになり、
やはり、ここまできたら、富士山がなんとか、ちょっとでも見たい!
ということで、富士宮駅から徒歩8分の富士山世界遺産センターまで行ってみた。
らせんスロープで、なんちゃって富士登山をし、最上階で、富士山が見れる。
が、しかし、やはり雲がかかって、すっきりと見えなかった。
残念だが、ここで諦めるしかない。
これは、また出直してこい!という意味に取ることにした。
そこから、歩いてすぐの所にある富士山本宮浅間大社にお参りして、
御朱印をいただき、おみくじ引いたら、オットは大吉。
大喜びで写真におさめていた。
ワタシは、吉。旅行は利なし。行かぬが吉。とは、なんとも。
OH! Mt.Fuji~
今回は、そういうことなのか。
と、複雑な気持ちを抱えつつ、宿泊先のホテルがある掛川まで、電車で後戻り。
重い荷物が、肩に食い込み、暑さも加わり、へっとへと。
昼食が、かなりの軽食だったので、
夕食は、ホテル近くの食事処で、とは思ったけれど、
結局、コンビニで、ビールやらワインに、食べたいおつまみやお菓子をいっぱい買い込み、
ホテルの部屋で、宴会をすることに。
利用したホテルは、超激安。朝食付きで税込3500円。
スタッフは、とても親切で、大盛りの氷まで用意してくれた。
汗を流した後の一杯目のビールの美味しかったこと。
二人で、ワインも一本空け、たらふく食べて、知らぬ間に、爆睡してしまったのだった。
つづく。
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