残す意味

「うちって、全身麻酔で手術したことあったよね」

と、出産のための麻酔の話を、病院に聞きに行くという長女から連絡が入る。

もう、なんだか、遠い昔の記憶になっている闘病が、

ピックアップされて、目の前に引き出されてくる。

忘れていた日々が蘇る。

でも、ウル覚え。

 

ちょうど、朝食の時に、

「メモに、電話番号と名前を書いているのがあってんけど、誰のことかわからへんねん。

しかも、その下に、8/6 よる8時 ふじさん、て書いてるんやけど、なんのことか、さっぱり…。

自分の字やし。これって、やばいよな」

と、オットと話していたところ。

記憶が、どんどん…

しかも、書いていた紙を説明するのに、

「ほら、あの書いて、ペタッと貼るやつ」と、『付箋』という名前が出てこない。

使えていない脳みそ部分が、増えてきているような。

劣化か。

これは、やばいよな。と思っていると、

「昔は、人生50年、て言うてたし、そら、人間そのあたりの歳になったら、

いろいろあるわ」と、オット。

先日、病院でも、

「女の人はな、50過ぎたら、いろいろ出てくるんは普通やしな」

と、言われたとこ。

フツーなんやな。

これ。

 

でも、

ムスメに体のことは、

きちんと説明してやらないといけない。

忘れちゃった〜では、えらいことである。

その時に、以前書いたムスメの闘病記が役に立つ。

そうだった。そうそう。

当時、そこにいた光景、匂い、思いまでも蘇る。

読んでいると、

うるうるしてしまう。

乳児の頃の病気が原因でできた両脇の動脈瘤を取り除く手術だった。

長時間だった。

難しい手術だったと医師が話をしていたんだった。

 

大きくなってから、彼女の脇は見ることがなくなり、

忘れていた。

そうだった。

彼女の両脇に残る痛々しい術痕。

 

 

もうすぐ、

長女に第二子ができる。

自然分娩を希望していたが、

体のことを考えて、

やはり、帝王切開になる。

だんだん出産日が近づき、

不安で食欲がなくなっていたそう。

 

 

ワタシが書いていた本が、

少しでも力になれば。

 

 

綴り、

作り、

描き、

ワタシができることで、

何かを残す意味が、

あるとすれば、

ここなんだな。

なんか、わかった気がした。

やっとだけど。

 

カッチコチの大きいだけの脳みそ、

動け!

 

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