オットのムヒパッチ

早朝6時には、洗濯機が回り終わり、

それに気づいたオットは、洗濯物を干して、

台所で、何やら、ガチャガチャ

トントントン…

耳には、最近手に入れたお気に入りのオーバーヘッドホン。

Bluetoothなので、超快適らしい。

軽快な音楽を聴きながら、料理。

何を作っているかというと、自分のお昼のお弁当。

食べたいものを食べたいだけ、好きに作りたいらしい。

子育てに追われている時に、

お弁当が必要な時も、

自分で、せっせと作って持って行っていた。

 

醤油のいい香りが漂う朝。

 

ワタシは、格闘していた。

痒さと。

ワタシは、あの下呂温泉から帰ってきてから、

蚊ではない虫に刺され、痒さに耐えかね、

かいてかいてかきまくって、

ふと見ると、

見慣れたふっとい足首が、

倍になっていた。

触ると、熱い。

お〜〜〜、またやってしもた。

小さい頃から、そうだ。

痒さに耐えられないので、

とにかく、かきむしる。

挙げ句の果てに、いつも、病院送り。

何日もかけて、治療される羽目になるのだ。

オトナになって、

病院まで行かないまでも、

相当なほど腫れるまで、やってしまう。

薬を塗ろうが、冷やそうが、

その上から、やってしまう。

暑さもそうだが、

痒さにも弱い…

 

 

ある時、

なんとか、この痒さを回避できないかと、

いろいろ試した。

すると、アンパンマンのムヒパッチを貼ると、

意外に痒みが治まったので、

以来、これに頼ることにしていた。

が、その存在すら、忘れるぐらい、

最近は、蚊以外の虫に刺されることがなかったので、

油断していた。

 

薬を塗る。

効かない。

冷やす。

効かない。

を繰り返し、

「あ〜〜〜〜〜が、が、がゆい〜〜」と叫びつつ、

痒いことを忘れるために、

焼酎とワインをガンガン飲んで、

寝てしまった。

 

ふと起きると、

腫れた足首に、絆創膏。

そこに、オットの落書き。

シャワーで、落書きは消えたが、

これは、

もうかきむしれへんやん。

 

 

 

台所で機嫌よく料理中のオット。

足首の絆創膏を見て、

「あれ、消えてる。

油性ペンで描かんとあかんかったな」とつぶやいた。

 

 

不思議と、痒さは消え、

腫れも次第にひいていった。

 

もう、痒さが落ち着くタイミングだったということか。

いや、

アルコールが効いたか。

いや

アンパンマンと同じ効果があったということか、

オットの落書き絆創膏。

ということにしておこう。

 

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