怪獣ランド

助っ人ばあば2日目。

昨日の発熱があったので、

念の為、保育園はお休みとなった孫1号。

もう、熱はなく、元気いっぱい。

ワタシが長女の家に到着すると、

朝からぐずっていたという1号は、寝ていた。

しかし、しばらくして起きてきてからは、機嫌が悪い。

何をしても、ママに抱っこをせがみ、

鼻水垂らして、グズグズ。

手で、ハンドルを回すジェスチャーをして、

「ブーブー」と、外を指差す。

車大好きな1号は、車に乗ってお出かけがしたい。

とりあえず、車に乗っけてみよう、となって、

外に出る。

長女の車ではなく、ワタシの車に乗りたがった。

あれだけ嫌がったチャイルドシートに乗って、機嫌が直る。

車を出せと、前を指差し、合図するのだが、

1号だけを後ろに乗っけて走るのは、ちょっとというか、

かなり大変なので、それは勘弁。

行けないよ〜、と言うと、

少し暴れそうになったが、

三輪車に乗ることを提案すると、

「ウンウン」と、了解してくれた。

よしよし、しめしめ、と家の敷地内で遊ばせようと、

ホッとしていると、

三輪車に乗った1号、閉まった家の門めがけて突進する。

開けろ、という合図だ。

これは、外に出るしかないな〜、と、

近くの公園まで行くことにした。

長女の家の前は、結構なくだり坂で、くだっていった先に公園がある。

大人の足で、3分ほど。

けど、くだり坂を三輪車でというのは、すごく危険である。

なので、1号は、大人が持つ補助バーがないタイプのかっこいい三輪車にまたがり、

ワタシは、腰を曲げて、ハンドルとサドルを持っての移動となる。

最初はいいのだが、これが結構きつい。

ペダルに足を載せるのを嫌がるので、

地面をペタペタ足を動かす1号のペースに合わせて、

ゆっくり押すわけだが、

坂道なので、ちょっとでも力を緩めると、

スピードが出てしまう。

ほんの少しの距離が、長い。

「う〜、腰が、い、いたいぞ」と、言いつつ、

やっと到着すると、

草がぼうぼうに生えた小さな公園で、

「く、く」と言いつつ、嬉しそうに、三輪車を乗り回す。

「く」は、バイクのく。

自慢の三輪車は、1号にとっては、かっこいいバイクなのだ。

バイクを降りては、ちょっと歩いて用事をしたふりして、

また、バイクにまたがる。

その乗り方も、なんだか、かっこよく素早く乗るのだ。

そんな乗り方、どこで、見ているのか。

ブランコにも、一人で乗れるようになっていた。

「手は、ギュッやで」と言うと、両手にギュッと力を入れて、

乗っている。

気がすむまで、乗ったあと、

また、三輪車にまたがり、

公園から、家に戻るのかと思いきや、どんどん離れる道を指差して行きたがった。

これは、付き合うしかない。

また、三輪車を押しつつ、1号の指示に従い、移動。

車の多い道へも出たがり、

自分は、バイクに乗っている気分なので、

車道を走ろうとする。

それだけは、勘弁してくれ、と、思いっきり歩道を走らせる。

郵便バイクを見ると、

今度は、自分のバイクは、郵便バイクになる。

一旦、バイクから降りて、

サドルを開けるふりして、

何やら、荷物を入れたり出したりするふりもする。

見てるんだね。

でも、車が多い道では、やめていただきたい動きである。

三輪車にやっとまたがり、再び発進。

きついのぼり坂。

三輪車を押し続けるワタシの汗はぶりぶり流れ続ける。

途中、てんとう虫を見つけて、三輪車から降りて、猫じゃらしで、ツンツンしていた。

最後、バイバイ、と手を振ったかと思うと、

足で踏みつぶそうとする、衝撃映像。

どこで、見たのか。

それとも、本能か。

 

また、再び発進。

きついのぼり坂。

やっと、一周してきて、1号の家が見えたが、

まだまだ上に行きたいと指を差す。

「もう、いいかな〜。帰ろ」と言うと、

「いやや〜」と暴れそうになったところで、

家の前に、ママの姿を見つけて、

走り始めた。

よかった〜

 

お昼を食べて、

今度は、家で遊ばせる。

少しでも、赤ちゃんの方に長女やワタシの気がいくと、

ぼくを見て〜、とアピールがすごい。

おもちゃ箱を、

ガチャガチャバラバラと、ひっくり返し続ける。

それはそれは、賑やかを通り越している。

2号も寝られず、

額にしわが入っている。

瞬く間に、一階の部屋は、キッチンも含め、

おもちゃが散乱。

じっと、していない。

ちょうど、次女とテレビ電話をして、

この状況を見せると、

「泥棒が入ったみたいやな〜」と、

小さな怪獣の動きに驚いていた。

まさしく、怪獣ランド。

長女が2号の授乳を始めると、

静かになった。

ふと、見ると、

小さなキリンのぬいぐるみを、胸に抱く1号。

自分もキリンに授乳。

これには、ウケた。

 

2号の沐浴をさせてあげようと準備していると、

2階にワタシの手を引っ張っていく。

なになに〜、とついていくと、

電子ピアノの前に座る。

どうやら、1号、音楽の時間。

スイッチを入れると、鍵盤を弾くまね。

DEMO のボタンを押すと、押した鍵盤の位置で、

様々なデモ演奏が流れる。

なので、押してやると、綺麗な音楽が流れる。

もう、1号、自分で弾いている気分。

頭を振りながら、鍵盤を叩く。

すると、ワタシが押していたDEMOボタンを覚えていて、

そこを押して、今度は、違う曲に変えることを知る。

曲をいろいろ変えながら、優雅に弾くまね。

天才2歳児風が、なかなかいけている。

 

おっと、沐浴。

1号を、1階からジュースでつる長女。

機嫌よく、音楽の時間は終了。

沐浴は、一人で入れる時の順序を、長女に伝授しながら、

2号は、気持ちよくお湯に浸かっていた。

すると、向こうの部屋で、

「んーーーーっ、んーーーーっ」

1号、おきばりタイム。

「あ〜ん、背中洗うとこ見たかったのに」と、

長女は、1号のオムツ替えに。

とにかく、タイミングが絶妙な1号。

 

1号、2号とも、

それぞれ気持ちよくなったところで、

ワタシは、夕飯の支度。

それでも1号、お昼寝しない。

ぐずりかけたら、もう、テレビの力を使うしかない。

ご機嫌で、パプリカを踊っていた。

 

と、まぁ、これ、半日の1号の様子。

自分の子どもの子育てではなく、

ばあばというポジションで見る、この最強2歳児。

かわいすぎる。

だけど、大変すぎる。

けど、かわいすぎるのだ。

 

家族LINEで、

本日の写真を送ると、

三女から、「赤ちゃんの写真は?」ときた。

ありゃ、一枚もない。

1号がすごすぎて、

2号の存在が、かき消されている。

慌てて、写真を撮った。

 

家に帰る間際、

長女の腕に抱かれる2号は、

額にしわ、

眉毛はハの字。

穏やかに寝たい彼女にとって、

家は、怪獣ランド化し、

悲惨な1日だったことも物語る顔をしていた。

生後10日目。

早くも、彼女も試練か。

たくましく育つんだよ。

 

 

家に帰ると、

なんだか、物足りなさというか、

寂しさもある。

それぐらい強烈で、

不思議な、

孫という存在。

 

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