これは失敬

最近は、めっきり外飲みはなく、

もっぱら家飲みなのだが、

オットは、仕事の関係上、1週間に何度もあった以前とは比べ物にならないくらいの回数だが、

外飲みをしてくることがある。

久しぶりにそれがあり、

最近の仕事の状態から、ひょっとしたら悪酔いするタイプかも、と予想していたら、

的中。

結構な量を飲んできたようだ。

で、どうなったか。

御所を通って帰ろうとし、

転倒しながらも、

午前1時を回って帰ってきた。

先に寝ていたワタシは、

「ただいま〜」とご機嫌で帰ってきたオットに起こされ、

次の一言で、ワタシは飛び上がることになるのだ。

「携帯、落とした〜」

どこで落としたかわからないので、

飲んでいた店にも、一度戻ってみたようだが見つからず、

帰ってきたのだ。

「電話かけて〜」と言う。

落とした電話に、電話かけても、

どうにもならない。夜中だし。

そこで思い出す。

『iPhoneを探す』アプリだ。

このアプリ、滅多なことでは使わないので、存在を忘れる。

オットのiPadから起動する。

しかし、オットのiPadは、アップデートしていないので、以前のアプリで

Apple ID に、パスワードを入れないといけない。

当の本人は酔っ払っているので、

なかなかログインできない。

「もう!ロックかかるやん!」と焦るワタシをよそに、

「え〜〜〜」と、ご機嫌オット。

やっと、ログインできた。

すると、示していた。iPhoneは、生きていた。

「あった!」

落ちていた場所は、やはり転倒した御所。

丸太町通から入った、観光神社付近を示していた。

時計は、午前2時。

でも、早く行かないと、なくなってしまうか、何かに踏まれて壊れる可能性もある。

行くしかない。

オットを連れて行きたかったが、

ご機嫌なので、そのまま置いて、オットのiPadが示す場所へ、

自転車を走らせた。

途中、へべれけで、歩道に寝転んでいる大学生に驚きながら。

御所といえども、きっとあちらこちら、灯はついているだろう、と思っていたが、

ほぼ、真っ暗。

よし、捜索開始!と思い、

iPadを開いてみると、「接続できません」と冷たい表示に、一瞬で絶望の沼へ。

オットのiPadは、Wi-Fi専用と言うことを忘れていた。

と、思い出す。

ワタシのiPhoneでデザリングじゃ!

やっと、繋がったので、捜索再開。

烏丸通から入ろうとしたが、

小さな懐中電灯しか持ってきていなかったので、役に立たない。

ならば、と、丸太町通から入ってみたが、

これまた、お先真っ暗。iPhoneの位置情報のマップを見ながら、恐る恐る進む。

しかし、ここにきて、自分の位置が動かない。おかしい。

足元しか照らせない懐中電灯も持ちながら。

何かぶち当たりそうになって、懐中電灯を真正面に向けると、神社の鳥居。

真っ暗の神社。

これ、もう、ホラー。

どんな恐怖映画にも勝るものである。

ゾクゾクしたので、

後戻り。

家に帰って、明るくなるのを待つか、とも思ったが、

ここまで来て、帰るのは悔しい。

ここからは、詳しいことは、理由があり、言えないが、

近くの交番を利用した、とだけ言っておく。

そうして、

なんとか、無事、iPhoneが見つかり、

帰宅したのは、3時前。

見つかったことに、ホッとして、

あとは、ゆっくり寝た。

 

ご機嫌オットは、朝から恐縮していたが、

ワタシは、iPhoneが戻ったことに、すごく満足していた。

なくすことによって、

ワタシがやらなければならない様々な手続きを思うと、

心からよかったとしか思わなかった。

 

しかし、後から思うと、

かなりすごい風貌で探していた。

寝起きで、着の身着のまま飛び出したので、

金髪ボッサボサで、Tシャツ、ジャージ。自転車のカゴには、iPadのみ。

手にはiPhoneと小さな懐中電灯。

どこから見ても、不審者である。

よくぞ、御所で捕まらなかった。

着ていたTシャツに大きく描かれた銀魂のエリザベスは、

「これは失敬」と書かれているプラカードを持っている。

これで、交番でお世話になったわけが、

もう、これはネタですか、と思うぐらい、

もはや、笑い話である。

思い出すと、ワラけてくる。

 

 

それから、オットはと言うと、

転倒してから1日経って、

カラダがあまりにも痛かったようで、

病院に行くと、

肋骨が一本、ポッキリ折れていた。

あ〜あ。

やらかしたね。

娘には内緒で、と言っていたが、

どうせ、明日会うし、

バレるやん。

と、ここで書いた。

 

 

とにかく、いろいろ気をつけましょう。

でも、

iPhoneだけは、無くさないでほしい。

くれぐれも。

と、思うのです。

これに頼っていることが、

今は山盛りあるってことを、

肝に銘じていただきたい。

じゃないと、

ワタシ、また、夜中に不審者になってしまう。

コメント

  1. K より:

    京都の深夜はホラー過ぎて、とてもじゃないけど無理です。
    よくぞ、一人で行ったと思います。

    旦那くん、やらかしましたね。
    でも、ちょっと分かります。
    年を取ると、酒に『飲まれる』事もあると。

    かくいうわたくし、昨年でしたか。
    自宅で飲んで転んで、腕と顔に、痣とちっちゃな傷を作りまして。
    それを見たうちのお嬢に「どつくよ!!!」とこっぴどく叱られた上、週末以外の飲酒を禁止されました(笑)
    今では以前の7分の1の酒量です。

    お互い、色々「気をつけましょう」!
    でも、一緒に呑みたいねぇ。

    • 秩加 秩加 より:

      やらかしてくれます。
      でも、気持ちもわかるしな〜、ってとこで、
      飲酒に関しては、何も言いません。てか、言えませんね〜
      オットにも、お嬢ちゃまのように、心配して叱る存在が必要なのかもしれんなぁ。
      二人生活になると、ゆるゆるで。

      そうですね。気をつけましょう!
      ぜひ、呑みましょう!

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