逃げない猫

違う、違う。

こういうんじゃない。

そう思いつつ、描いていた絵を消す。

油絵は、何度もやり直しができる。

だから、子どもたちにもおすすめするし、

何より、ワタシ向きなのである。

ほぼ描き上がってきた絵を、

惜しげもなく、消す。

無性に消したくなるのだ。

描いていくうちに、

依頼された絵と、自分の描きたい絵の狭間で揺れる。

 

一度、自分を抑えて、描いてみたら。

と、ムスメ。

ワタシのスタイルは、自分の中の湧き上がるエネルギーを、線と色に変換するスタイル。

爆発型だ。

キャンバスに収まらないパワーを、キャンバスに封じ込める。

いつからだろう。このスタイル。

大学の研究室では、きちっと、見た通りの絵を、ひたすら描いていた。

でも、ワタシの奥にある、マグマのようなパワーを、

オットが、こじ開け続けたら、

こうなりました、という感じだっただろうか。

いつしか、筆を置き、手で描いていた。

楽しい。

これこれ、ワタシがやりたかったの。

そんなことを思いつつ、

キャンバスが破れるんではないかという勢いで、

バンバン絵の具を塗りたくる。

計画なんてない。

その時、描きたいものが、現れる。

現れた途端、この世で生き続ける。

ワタシと共に。

 

そんな絵を描いてきたのだが、

今回、新たな挑戦をしていることになる。

 

どんな絵になるのだろう。

自分でも楽しみである。

が、今は苦しい。

早く、現れてくれ。

 

 

10日間アートチャレンジ4日目は、

これ。

フランスに旅立ったこの子。

ワタシが、ホームステイした先にいた猫ベルナール。

大ー好きな猫だが、

どの猫も、犬同様、ワタシを嫌う。

圧が強すぎるのか、

呼んでも、逃げていく。

だから、作りたくなる、逃げない猫。

これも、張り子。

あ〜、作りたい。

気持ちが盛り上がってくる。

そんな猫。

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