オットがいる間は、
1日のペースは、彼の主導。
移住体験の場所が、
非常に気に入ったオットは、
朝からテンションが高い。
Airbnbを使って、海外で二人で滞在していた時を思い出す。
朝早くから、連日うきうきなオットは、
1日の流れを決めながら、
掃除を済ませると、
いざ出陣。
昨日は、こっちの借りられる家を、ネットで調べ、
そこまで、見に行きたいと言う。
しかも、自転車で。
ワタシもせっかく自転車を持ってきているので、
乗らないといけないなぁ、と思い、
行き先は、オット任せで、付いていくことにした。
それが…
とんでもなく、甘かった。
オット任せに、なぜしたのか。
後で、後悔することになる。
完全にオットのペースである。
山の上の方にある体験施設から、自転車ですごい勢いで下る、下る。
距離にして、5キロで海岸沿いまで出る。
しかし、その高低差は、Googleマップによると169m。
ほぼきつい坂。
行きは、まぁ、下り坂なので、楽勝で下った。
そこから、今度は、オットが見たかった賃貸の家へ。
行けども行けども、辿り着かない。
海岸線沿いを、ひたすら走る。
車が、なんでこんなにも多いんや〜と思うぐらい、
切れ目なく車が走る。
そんなに広くない車道なので、
実に走りにくい。
アワイチかよ〜、と呟きつつ、
淡路島一周している気分になってくる。
汗で、マスクの中は、カオスやし。
車輪は、14インチの超ミニ。
まじのアワイチしてるサイクリストたちは、
気持ちいいスピードで、抜かしていく。
軽装で、炎天下の中、
えっちらおっちら、
必死でペダルを踏むこと、
1時間?かな。
やっと、たどり着いた。
ボロッとなった平家だったけど、
家賃も安いし、場所も良さそう。
候補は候補としておこう、と、
周辺をジロジロ見つつ、
来た道を戻る。
途中、じゃこを干している工場が、2軒ほどあり、
めっちゃいい匂いが漂っていた。
あ〜、アツアツごはんにのっけて、醤油かけて食べたい!と、思って、
聞いてみると、
小売してくれた。
干したじゃこは、大量に入っていて、
二人で消費しきれないので、
釜揚げちりめんの方を、買った。
優しいおばさんに、お礼を言って、
また、ペダルを踏んで、しばらく行くと、
この前、テレビで紹介されていた、
移動ピザ屋さんを発見。
お腹もすいたので、
注文して、そこで食べた。
車の荷台に、ピザ釜があり、
焼きたてピザを提供してくれる。
釜の中で、火がボウボウと燃えていた。
これ、トラックの荷台なんだよなぁ〜、と、
アイデアに感心しつつ、
新鮮な地元の野菜が載っかったピザを頬張った。
ピザにはコーラでしょ、と、
最近観たドラマで言ってたので、
珍しくコーラも飲んだ。
青空の下で、食べるピザ、サイコーだ。
周りは、稲が実った田んぼ。
いいねいいね〜
絶景かな。
と、一息つき、
お腹も満たされたところで、
再度、出発。
帰りの海岸沿いの道は、
意外と早く走れた。
慣れたのかな。
そして、山道への入り口で、
ボク、枕が欲しいんやけど、
と、オットのための枕を買う。
オットのための、箸、やら、
オットのための、洗濯ネット、やら、
なんか、オットのための購入品が、多いような。
しかも、オットの自転車には、荷台がなく、
しかたなく、ワタシの自転車に、オットの枕をくくりつけて、
山道を、上ることに。
見た目、超ヘン。
オットは、涼しい顔して、先を行く。
そこからが、地獄だった。
ほぼ自転車は乗れない。
急なのぼり坂が続く。
その横を、車がスイスイ通っていく。
こんなとこ、
自転車で走る人など、全くいない、と思う。
途中、あまりの暑さと、
今までにない運動量で、
息苦しくなり、
水分補給をして、
休み休み、進んだ。
オットは、ワタシを待つ間、
蚊と格闘していた。
そんなこんなで、
髪の毛も顔も、汗でぐちゃぐちゃになりながら、
山道入り口から1時間がんばり、
やっと、体験施設に辿り着いた。
口もきけないほど、
疲れきり、
椅子にすわったまま、動けなかった。
調べてみると、往復34km。
それも、ただ単なる34kmではなく、
高低差がある。
がんばった。
自分、えらい!、と言いながら、
鏡を見ると、
まぶたを虫に刺され、えらい腫れていた。
なんとも、情けないかおだった。
オットと、行動すると、
えらいことになる見本のような1日だったわけで。
一方、オットは、
もっと、動きたそうだった。
ほんま、すごい。
帽子も被らないオットは、
めちゃくちゃ日焼けして、
畑仕事か、漁師の仕事をしたようになっていた。
マスクをはずすと、
そこだけ異様に白く、
なんか、鼠小僧というか、
コソ泥みたいな、
あつ森でいう、らっきょ顔になっていたので、
超絶ウケた。
まぶた腫れた妖怪と、コソ泥。
その二人で、
夕方から、オットの仕事関係で、知り合いになった方と、
食事会。
しかも、山の中のおしゃれなフランス料理店。
オットの顔を見たら、吹き出しそうになるのをこらえつつの、
食事だったが、
料理の内容は、
ワタシには、もったいないものばかりで、
恐縮しつつ、
どれも美味しくいただき、
しっかり堪能させていただいた。
すばらしすぎて、
ここは天国? の勢い。
地獄から天国へ。
日中の疲れも、吹き飛んだのだった。
今日は、移住体験3日目。
今、ワタシの中で、
いいんじゃない淡路島、
になっている。
オットは、
早朝から、いない。
じっとしていられない彼は、
リュックに水筒とスマホだけ入れて、
自転車とともに、
どこかへ、行った…
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