次女が、初めてワタシの移住先にやってきた。
画面越しに見た雰囲気と、
実際に体感してみるのとでは、
かなり違う。
あまりの家の古さに、驚いていた。
今まで住んできた場所や、
工房で借りていた店舗や町家などを、全てを足した感じなので、
どこか懐かしさを感じるそうで。
オットが、ここを気に入った気持ちもわかると言っていた。
ムスメの淡路旅初日は、洲本ぶらり。
ここで、もし生活するならば、という感じで、
役所や図書館や買い物も、全て徒歩で行ける便利な場所なので、
ぶらぶら歩いて、案内した。
おしゃれな店は、必ず入って見てみるという、
興味津々の彼女は、
ワタシもまだ入っていないところも、
すぐに入ってチェックする。
興味の幅が狭いワタシにとって、
幅を広げてくれる彼女の視点が面白く、
また、今の流行り情報を教えてくれたりもし、
彼女と一緒に歩くと、楽しい。
彼女は、布バッグ好きなので、
珍しいデザインのバッグは、じっくり見ていた。
悩んだ末に、ちゃっかり購入していたし。
次の日は、
ワタシがイラストを描いた短編映画の上映があったため、
会場の準備や、上映前の紹介もあり、
ワタシは、会場に行くことになっていた。
ムスメは、映画を観たい、とついてきていたのだが、
彼女も関係者として、パイプ椅子を並べたり、
消毒をするため拭きまわったり、してくれた。
本人は、会場設営しながら、
あれ?ワタシ、淡路に遊びにきたんだけど、
何してるんだろう、と、笑っていた。
ここに来ても、
やっぱり京都と同じようなことをしているワタシを見て、
どこに行っても、同じやな、と、
ムスメは納得していた。
上映会は、午前午後と、100人を超える来場者があり、
大盛況だった。
よかったよかった。
製作に関わった人たちは、みなボランティアでやっておられた。
仕事が休みの日を使って、撮影、編集等、大変な労力だったと、想像がつく。
元々、ここ洲本の人たちではなく、
ワタシがお世話になっている方が声をかけられて、
動かれた人たち。
ほんと、ここは、そういう感じで、つながっていく。
ワタシもその一人。
おもしろいところだ。
上映会の片付けが夕方に終わり、
ムスメが行きたがっていた『うずの丘大鳴門橋記念館』へ、
すぐに車を走らせた。
夕日と『おっ玉葱』と大鳴門橋を撮影して、大満足のムスメ。
来たかいがある、と、写真をいっぱい撮っていた。
彼女の淡路旅の1日が、
パイプ椅子並べて片付けて終わる1日でなくてよかったと、
ワタシは、密かに喜んでいた。
最終日は、ムスメのリクエストで動く。
朝から、近くの氏神さんにお参りをし、海まで散歩。
考えたら、今年初の海だった。
海の近くがいい、と言って、住んでいるんだけど、
今の家からは、海が見えない。
やっぱり、海が見える家がいいね。
それを目指したいなぁ、と言いながら、
車で伊弉諾神宮にも参拝し、
めちゃくちゃ美味しい揚げた玉ねぎ一個を使ったつけ麺も食べた。
山の上の雑貨屋さんにも行って、
美味しいマフィンも買った。
夕方、派手なラッピングバスで、彼女は京都に戻って行った。
ムスメは、現在のコロナによる混乱を見て、
再び渡仏して、向こうで生活することを諦めた。
そこで、京都と淡路の2拠点で、
フリーのデザイナーとして、
スタートをきろうと考えていた。
しかし、この3日間、
次女の表情を見ていると、
ここに、自分も滞在するとなると、と、
複雑だったようにも思えた。
いきなり、現実を見た、っていう感じだろうか。
だから、余計に、真剣に、
これからの自分の身のふり方を、
しっかり考えなければならないと、
思ったように思う。
4月から、スタートするので、あまり時間はない。
でも、まぁ、自分の心配が先だ。
おしゃれで、美味しいがいっぱいの彼女との3日間。
オットとの時間とは、全く違う時間が流れていた。
さてさて、今度は、あのオットが、数日後に鼻息荒くやってくる…
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