ふと、朝の太陽の光をを感じて、
カーテンを見た。
ここに来た時、オットと買ったカーテンを二人でつけていると、
オットが言った。
新婚みたいやなぁ、と。
思わず吹き出したけど、確かに、カーテンをつける作業を二人でするなんて、
いつぶりだっただろうか。
そんなことを思い出しつつ、
光が透ける安物の生地が気になった。
ガシャガシャガシャ…
小学生まで、よく行っていた父の実家。
昔々、油屋だったという広い敷地にあった工場には、
機織りの機械の音が、毎日鳴り響いていた。
重厚な機織り機が、何台も休むことなく動き続き、
糸を紡ぐ?機械も何台も連なっていて、ずっとぐるぐる回っていた。
ちっこいワタシには、触らせてもらえなかったけど、
勝手に動く仕組みが、不思議で、触りたくてしかたなかった。
暇さえあれば、工場に入って、
機械の部品から香る油や糸の独特な匂いの中、
機械の間をちょこちょこ走り回っていた。
格好の遊び場だった。
出来上がった布には、全く興味はなく、
興味があったのは、あちこちに転がっている機械のネジや部品だった。
庭でも、あちこち掘って、出てくる部品は、お宝だった。
ついでに、昔のお金とかも出てきたり。
だから、庭のあらゆるところを掘りまくっていた。
その頃から、
掘り出したネジやくぎはもちろん、
秋になると拾うどんぐりも、
おもしろい形の石も、
自分の中の最高級のお宝。
それは、今も変わっていない。
掘っていると、カミソリなんかも出てきて、
それを使って、野菜のしっぽを切って、
ままごとをしたりもしていたなぁ。
食べることが大好きなワタシは、
自他共に認める大飯食らいだった。
おっちゃんのお嫁さんが作ってくれる、
顔ほどあるおにぎりが、ほんと大好きで。
みんな優しかったなぁ。
そんなことを、
カーテンを見ながら思い出す朝。
人恋しくなる寒さだが、
一人暮らしも、
板についてきた。
暖かくなる春に向けて、
動き出す準備を始めよう。
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