高校時代から、
いわさきちひろさんは、憧れの存在だった。
大学時代、本屋に行くと、必ず足が向くのは、児童書、絵本関係のコーナー。
ちひろさんの名前が載った本が出るたび、購入していた。
子育て中も、絵本を買ったり、展覧会があれば観に行ったりして、
刺激を受けていた。
ワタシも、ちひろさんのように、絵を描いて仕事をしていきたい、と、
彼女の辿った足跡を追った。
知れば知るほど、憧れる存在に。
あの方のようになりたい。
ワタシの夢だった。
でも、いつしか、彼女のようにはなれない、と、
何もしていないのに、勝手に能力の限界を感じ、
自分で自分の評価をして、
封印をしてしまっていた。
ことあるごとに、出てこようとする夢を閉じ込めた箱は、
どんどん頑丈になっていった。
今回、旅に出るために開いた地図を見て、
帰り道を指でたどっていると、
「安曇野」という地名が出てきた。
安曇野。。。
遠い記憶が、フッと、点になって現れる。
頑丈に閉じ込めた箱が暴れ出す。
そういえば、誰かがいたところ。
そういえば、教室手伝ってくれていた人が、
すごくいい所だと、教えてくれていた場所。
すると最近、教室の子が、最近行ってきたという。
ちひろさんだ。
ちひろさんがいた場所。
あの頃の自分が蘇る。
自転車で向かう道は、
豊かに実った稲穂が、風に揺れ、
遠くには、北アルプスの山々。
どれもこれも絵になる場所だった。
あ〜、住みたい。
そんなことを思いつつ、
やっと到着した美術館は、広い公園があり、ゆったりと楽しめる場所だった。
そうそう、そうだった、、、
一つ一つの展示を、じっくり見ながら、記憶を引っ張り出してきていた。
こんなにも、時間をかけて観た美術館があっただろうか。
横にある広い広場も散策。
スケッチにハマっているオットは、
絵を描いていた。
ここで、改めて、初心に戻ることができた。
純粋に、絵を楽しめればいい。
そんなことを、オットを見ながらも、思ったのだった。
感動の嵐の安曇野から、
15時4分の電車で、一路京都へ。
鈍行に揺られて、無事帰宅。
汗と感動の旅。
これにて終了〜。
旅は、こうでなくっちゃ、というスタイルが、
私たち夫婦にはできあがってしまっていた。
今度は、どこへ行こうか。
青春18きっぷで。
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